H 2 8 口 述 試 験 概 要


口述試験状況(協力者からの情報)

NO1 土木受験者 S氏(受験地:エル・おおさか)
日時 :平成30年1月16日  15:40〜16:00
面接官 3名

(中央の面接官から) 
Q:試験区分と受験番号、氏名を言ってください。
Q:受験の動機は?
Q:安全管理の経験年数は?
Q:店社の安全管理者とコンサルタントの違いを述べてください。
→安全管理者は組織に属して安全管理の技術的事項を担う者ですが、安全コンサルタントは外部から一定期間来て安全診断や指導をするものです。
Q:店社に店社安全衛生管理者がいると思いますが、その仕事を2つ答えてください
→協議会への出席と月一回の安全巡視です。

(左側の面接官から)
Q:コンサルタントはどのような仕事を行いますか?
→安全診断を行いそれに基づいて指導を行います。
Q:コンサルタントの義務は?
→守秘義務があります。それはコンサルタントでなくなってからも続きます。また信用失墜行為の禁止です。
Q:労働災害の死亡者数が近年現象し、千人を下回るようになりましたが、要因は何だと思いますか?
→リスクアセスメントの普及や安全衛生マネジメントシステムの広がりが大きいと思います。
Q:安全衛生マネジメントシステムを説明してください。
→PDCAサイクルを回して安全水準をスパイラルアップさせていきます。
Q:型枠支保工でコンクリート打設時に倒壊する原因は?
→支点の沈下や移動、支柱の座屈、水平力を支えきれないなどです
Q:支持地盤の耐力を確認し不足する場合は地盤改良や敷き鉄板で補強すること。水平つなぎをとること、筋交いを適切に配置することです。
Q:型枠支保工で注意することは何ですか?
→支持地盤の耐力を確認し不足する場合は地盤改良や敷き鉄板で補強すること。水平つなぎをとること、筋交いを適切に配置することです。
Q:リスクアセスメントと危険予知活動の違いは?
→リスクアセスメントは事業者や職長、安全担当者が机上で行いますが、危険予知活動は作業員が作業の前に現場で行います。
Q:事故は不安全な状態と不安全な行動が合わさった時発生しますが、足場組立時の不安全な状態、不安全な行動とは具体的にどういうことですか?
→不安全な状態とは足場の組み立て中、手摺が無かったり、作業床に開口部がある状況です。不安全な行動とはその状況で安全帯をしていないことです。

(右側の面接官から)
Q:移動式クレーンを用いた作業で転倒事故を防ぐ方策は?
→アウトリガを最大張り出しにすること、支点に敷き鉄板などで沈下を防ぐこと、過負荷防止装置を正常に作動させることです。
Q:ワイヤーロープの廃棄基準は?
→1よりの中で素線の破断が10%以上のもの、断面の減少が7%を超えるもの、あとキンクがあるものや著しい腐食や型くずれがあるものです。
Q:足場の組立作業安全対策で本質安全化とはどのようなことですか?例をあげてください。
→施工計画段階で高所作業車を使用したり、移動型の足場設備を使用するなど高所作業をできるだけ少なくすることだと思います。
Q:くさび式足場の注意点は?
(想像していなかった質問。暫く考えていると)
Q:材料の面はどうですか?
→複雑な材料を使用するので腐食や変形がないことが重要です
Q:作業的にはどうですか?
→最上段を組み立てるときにはどうしても手摺がない状況になるのでそれを考慮した作業計画をたて、安全帯を確実に使用することです。
(終了)


NO2 土木受験者 N氏(受験地:エルおおさか)


日時 :平成30年1月16日 14:15〜14:28
面接官 3名

Q:受験の動機を述べてください。
A:2つあります。
1つ目ですが、現在私は支店土木部プロジェクト室の積算グループリーダーを務めており、現場の安全パトロールに随行する機会があります。この際に支店スタッフに求められるのは、外部の目から見たリスクアセスメントですが、労働安全コンサルタントを取得することによって、より適切な指摘が可能となり、支店全体の労働災害低減に寄与すると考えます。
2つ目ですが、現在の主な業務はプロジェクト室で入札対応の施工計画・積算を行うことです。この際に、安全管理を軽視した施工計画・原価では入手後に現場が困ります。安全知識に関する自身のスキルアップを行い、より適切な安全コストを計上することが目的です。

Q:安全管理の経歴・経験年数を述べてください。
A:建設会社に勤務して30年になりますが、最初の10年は現場での品質・安全・工程・原価といった施工管理を行いました。内5年程度は主任技術者・監理技術者および元方安全衛生管理者の立場です。後の20年は現在と同じ業務であり、支店プロジェクト室のスタッフとして、入札対応の施工計画・積算および支店土木現場の安全パトロール随行を行っています。
Q:安全管理の経験年数は、おおむね20年程度ということですね。
A:はい。

Q:労働安全コンサルタントの業務とはどのようなものですか?
A:労働安全コンサルタントの名称を用いて、他人の求めに応じ報酬を得て、労働者の安全の水準の向上を図るため、事業場の安全についての診断及びこれに基づく指導を行なうことです。
Q:では、労働安全コンサルタントに課せられた義務について、述べてください。
A:まずは、クライアントに対する秘密保持義務があります。また、労働安全コンサルタントの信用失墜行為の禁止が義務となります。

Q:入札対応ではトンネルの計画もされているのですか?
A:はい。
Q:では、山岳トンネルの安全対策を述べてください。
A:山岳トンネルの掘削では、落盤・出水・ガス爆発等による労働者の危険防止が基本となります。一般的には、設計時点で得られているボーリングデータ等に基づいた支保パターン・排水計画・補助工法が採用されていますが、往々にして想定外の地盤・地下水条件が発生することがあります。これに対応するために、日常的な切羽地山・湧水の観察、内空変位の計測および、危険な兆候が発生した場合の追加ボーリングや支保パターン・補助工法の見直しが重要です。また、可燃性ガスが発生する可能性のある地山については、自動警報装置の設置や、防爆対応の機械設備の採用が必要となります。

Q:土木工事では移動式クレーンをよく使いますが、移動式クレーンの転倒防止対策を述べてください。
A:まず、作業半径および吊荷重に適合したクレーンを選定し、定格荷重内での作業とすることが基本です。また、クレーン足場の確認も重要です。クレーン設置箇所の地盤を調査し、必要に応じて地盤改良や敷鉄板養生を行い、足元の沈下を防止することが重要です。

Q:クレーン作業では玉掛を行いますが、玉掛ワイヤーの点検・廃棄の基準について述べてください。
A:1より間の素線断線が10%、直径の減少が公称直径の7%、あと、キンクしたもの等が廃棄基準となります。

Q:近年は労働安全衛生マネジメントシステムの活用が推奨されていますが、御社でも採用されていますか?
A:はい。当社なりのシステムがあります。
Q:では、労働安全衛生マネジメントシステム活用のメリットを述べてください。
A:職場の潜在的なリスクが明確になること、リスク対策の優先順位が決定できること、残留リスクに対する作業者の遵守事項が明確になること等です。

Q:近年、労働災害が減少してきた要因を述べてください。
A:安衛法・安衛則等の法令が整備されてきたことがあります。例えば、足場・作業通路などは幅や手摺の高さなど、詳細が追加・変更されてきています。また、安全に対する会社・経営者の意識が高まってきたことが挙げられます。

Q:高所作業の不安全設備、不安全行動にはどのようなものがありますか?
A:組立解体の途中で、一時的に手摺が無い状態などがあります。また、作業の必要上、一時的に手摺を外した状態となる場合があり、この場合は作業終了後の迅速な復旧が重要です。

Q:混在作業における元請の実施事項を述べてください。
A:災害防止協議組織の設置・運営、作業間の連絡・調整、作業場所の巡視、関係請負人が行う労働者安全衛生教育の指導・援助、工程・機械設備配置に関する計画作成などです。
Q:関係請負人が行う労働者安全衛生教育の指導・援助には具体的にどのようなものがありますか?
A:場所の提供、資料の提供、講師を行うことなどがあります。

Q:貴社にも店社の安全管理者がおられますね。
A:はい。
Q:店社の安全管理者の業務にはどのようなものがありますか?
A:現場の定期的な安全パトロール、支店の安全目標の策定、台風・集中豪雨など非常時における支店待機・連絡調整などです。

Q:(センターの審査員が他の審査員に対して)他に何かありますか?
(他の審査員)特にありません。
では、これで口述試験を終了します。お疲れ様でした。
A:ありがとうございました。


NO3 土木受験者 O氏(受験地:東京国際フォーラム)

試験日 平成30年1月30日 午後

 受験時刻の45分前、受付を済ませて控え室へ 試験予定時刻の10分前に係の方から呼び出し
私・・少し速くないですか? (控え室へ向かう移動中に)  
係の方・・少し早めに進行しています。早いですが大丈夫ですか(前の受験者が欠席?)
私・・大丈夫です。
係の方・・椅子に掛けて少々お待ち下さい(試験官に入室させても良いか確認)
係の方・・入って右側にテーブルが有りますのでそこに荷物を置いて下さい。どうぞお入り下さい。
(ドアを開けてくれました)
 試験開始
(質問の順番は定かではありません)
(試験官は私から向かって 左 中 右 とします)
中 それでは試験を開始します。氏名・区分・受験番号を言って下さい。
中 どうしてコンサルタント試験を受験しようと思ったのですか。
私 定年後にはコンサルタントとして〜より深く安全に関して知識を習得したいと思い受験しました。
(当然ですが、コンサルタントになる意思がある事を述べた方が良いと思います)
中 勤められている会社はどのような仕事を行っていますか?
私 主に、こうきょうの土木工事を行っています。
中 どのような橋梁ですか?
私 公共?鋼橋? 公共とは発注者が国や都道府県などの公共工事と言う意味です。
中 ブリッジの鋼橋ではないのですね。(微笑)
中 経験年数は○○年となっていますがどのような工事を行ってきましたか?
私 主に道路改良工事や災害防除工事を行ってきました。
中 現在はどのような仕事をしていますか?
私 入札関係の書類の作成や積算、安全管理を含めた工事事務所の統括管理を行っています。
中 今までで記憶に残っている工事はありますか?
私 平成○○年に行った工事が記憶に残っています。
中 安全に関して改善した工事はありましたか?
私 先ほど言った工事で、施工計画作成前に行った事前調査で○○について災害が発生する危険性を感じましたので、作業員については○○、運搬車両については○○、重機については○○の対策を事前に行いました。(リスクアセスメントをやったよと)
左 私の方から法令関係を少々お聞きします。
 クレーンの転倒防止にはどのようなものがありますか?
私 設置面を水平にしたり、敷鉄板を設置して強固にしたり、アウトリガーを最大に張り出すなどがあります。
左 リミッターとか有りますよね。
私 (どのようなものとは装置か? ものとことの違い・・役人さんですね)
 過負荷防止装置や過巻き防止装置・警報装置や安全弁等があります。
左 先ほど工事事務所の統括管理をなさっていると伺いましたが、統・責や元・管の経験があるのですね。
 (省略して言うの?)
私 はい。
左 コンサルタントの業務と義務について覚えている限りで結構ですのでおっしゃって下さい。
私 引っかかりながらも業務と義務を言切りました。(暗記していました)
左 私からは以上です。
右 では私から。
 現場の統括管理をなさっているとの事ですが、情報化機械施工等で機械の手配が出来ない等と言う事はありますか?
私 私どもの会社ではまだ情報化施工は行っていません。
右 現場で使用する機械を選定するときにはどのようにして選びますか?
私 現場の規模や条件を考慮します。重機の大きさや接地圧などです。
右 協力会社を選ぶときにはどのようにして選びますか?
私 ???
右 たとえば、新規の会社とのコミニュケーションなどの事です。
私 (協力会社の評価や調査などに付いて聞かれると面倒なので)
 当社は殆どが古くからのお付き合いのある会社に施工をお願いしています。
 会社を選定するときには、工事の内容により協力会社の得手不得手が有りますので、その辺を考慮しています。
右 協力会社が現場に新規で入ってくる際の安全管理はどのように行っていますか?
私 新規入場時教育で行っています。
右 それは誰がやるのですか?
私 私どもで行っています。
右 以上で結構です。
中 では最後に一つだけお聞きします。将来はコンサルタントとしてご活躍なさると言う事ですが、クライアントさんは色々な方がおります。
 その時を想定して経験した事が無いことだとは思いますがあえてお聞きします。都市部でシールド工事を行うときに予想される災害には何がありますか。?
私 ??? (あえて聞かないでと言う思いが顔に出たのか)
中 経験が無いでしょうがあえて聞いています、想像でも結構ですので。
私 セグメントを組立てるときに落下するとか、ズリの搬出時に重機と作業員が接触する等ですか。
中 はい結構です。
 以上で終わります。
 試験時間は11分か12分でした。
 試験後の私の感じた事です。
 1 コンサルタントになるために受験している事を伝える。
 2 リスクアセスメントを行った事を伝える。
 3 コンサルタントの業務と義務を言える。
 上記の3点で試験官の雰囲気が変わったように感じました。
 また、先にホームページに口述試験の体験を送って頂いた方の記述にもありましたが、返答の 仕方で質問を自分の答えやすい方向へ向けることが可能だと感じました。



 協力いただきました方々ありがとうございました。

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