H 17 口 述 試 験 概 要


口述試験状況(協力者からの情報)

NO1 土木受験者K氏(受験地:大阪)
 平成17年度は事前調書はなく、いきなり面接であった。
 試験官は3名で試験時間は10〜15分。
 回答に対して次々と質問されることから、聞きかじりの回答は禁物である。
 質問と回答は以下のとおり

Q1:今まで主にどんな仕事をしてきたか。
A1:送電線の設計、発注、施工管理、検査を行ってきた。

Q2:受験の動機は。
A2:送電線建設工事の施工会社と共同で安全協議会を組織しており、年度重点実施項目等を策定しているが、なかなか施工会社の賛同が得られない。しかし、メンバーの中に労働安全コンサルタントの方がおられ、その方が賛成してくれると他のメンバーも同意してくれることからコンサルタントの権威を実感した。自分もコンサルタント資格を取得し、将来安全面のアドバイスを行うことによって送電業界に恩返しをしたいと思い受験した。

Q3:いままでの安全関係の職務実績を簡単に述べて下さい。
A3:社内の安全衛生委員会の委員を5年、先ほど述べた安全協議会の委員を3年、主査を2年務めている。

Q4:送電線の工事で多い災害は何か。
A4:高所作業が主であることから、墜落災害が多い。

Q5:墜落災害の防止措置としてどのようなことを行っているか。
A5:電力各社が共同でキーロック方式の安全帯を開発した。これは一度命綱を安全帯に取り付けると、次の命綱を取り付けない限り先の命綱が取り外せない構造のもので、常に一本以上の命綱を付けている状態を保つことができるものである。

Q6:その効果はどうか。
A6:本格的な導入から今までの5年間で墜落災害は全国で数件しか発生しておらず、十分な効果が確認されている。

Q7:自分の仕事の中で災害が起こった経験はあるか。
A7:送電線の新設工事で資材運搬に索道を使用していたが、吊り荷を下ろす際にワイヤを出しすぎてリールからワイヤが抜け、落ちてきた吊り荷の下敷きになって重症を負うという災害が発生した。

Q8:その事故の原因は何か。
A8:ワイヤの終端をリールに差し込む構造になっていたが、オペレータを始め現場監督者も含めた全員がそのような構造になっていることを知らなかったため、ワイヤをギリギリまで出してしまったことが原因である。

Q9:その事故に対してどのような対策を行ったか。
A9:全ての索道メーカーに対して、ワイヤ終端を差込みでなくボルト留めとするようリールの改造をお願いした。更に、安全協議会を通じて施工会社に事故内容を周知するとともに、リールには最低3巻以上ワイヤを残すことを再発防止対策として徹底した。

Q10:工事現場における元方事業者の責務は何か。
A10:統括安全衛生責任者を設置し、その者に現場全体の安全管理と工程調整、下請けが行う安全教育への協力を行わせる。また、元方安全衛生管理者を設置し、統括安全衛生責任者の指示の元で技術的事項に関する管理を執り行わせる。(このあたりはシドロモドロになってしまい、用語も噛んでしまったことから統安責、元安管という略称で通してしまった。しかし、試験官も略称で質問を続けて下さったので助かった)

Q11:統安責が全ての責を負うのか。
A11:そうである。

Q12:それでは下請けの安全管理者は何をするのか。
A12:(ここでようやく質問の意味とピント外れの答えをしてしまったことに気づいた)
  下請けの安全管理者は当然自社の社員の安全管理についての責任を負う。

Q13:統安責の任務は他にないか
A13:共通仮設の設置と管理を行う

Q14:なぜ共通仮設の管理を元請が行うのか。
A14:下請けごとに使用する物の重量や使用方法が異なることから、全ての条件を満足するよう元請が設置し管理する必要があるからである。

以上、最後は冷や汗ものでしたが、何とか合格することができました。
※詳細な情報ありがとうございました。※


NO2 土木受験者W氏(会社員)
 真ん中の試験官が全般的なこと、向かって右側の試験官(厚生労働省の方か)がコンサルタントの仕事、左側の試験官(コンサルタントと思われる)が災害等についての質問をされた。
 試験に入る前に受験番号・氏名・試験区分を告げることを求められました。
(真ん中の試験官)
1 受験の動機は?
  その旨の説明。

2 開業の意志のあるのか?
 意志有りの説明。

(右の試験官)
3 労働安全コンサルタントはどういう仕事か?
 行政の指示の下に安特等の安全診断、改善計画書作成指導の旨説明。

(真ん中の試験官)
4 貴社はどのような仕事をしているか?
  その旨説明。

(左の試験官)
5 当社でどのような災害があったか?
 その旨説明。
 再発防止計画書の中に当社で初めてリスクアセスメントを取り入れ、対策案としたこと。

6 その後はどうなりましたか?
 当社安全衛生管理規定にセーフティアセスメントによるランク付けによりレベル4まで分類し、レベル1の場合の主要作業に関してリスクアセスメントを実施することを盛り込み運用している。(労働安全衛生マネジメントシステムの導入問題までは触れませんでした)

(真ん中の試験官)
7 最近の災害について関心のあった災害はどのようなものですか
 JR西日本の福知山脱線転覆事故
 アスベストパニックを説明。

8 JR西日本に関してどのように感じましたか?
 スピード超過というルール無視、日勤教育という懲罰を考えるとこれが社風なのかと感じた。

(左の試験官)
9 あなたがコンサルタント業務をやる場合において経験のない工事に対した場合どのようなことに注意を払いますか?
 土木を中心に工事をしてきたため建築等は少し疎いと思います。建築の低層住宅の場合でしたら、低いといえども墜落災害の防止、安全管理体制の確立等に注意を払います。

(真ん中の試験官)
10 安全第一といわれていますが日本では安全文化がなかなか根付かないがどう思われますか。?
 作業所の職員は安全衛生管理もよくやっています。
 トップの問題ではないでしょうか。言葉では安全第一といいますが、どうしても営利主義に走りがちです。このような点も含め、安全コンサルタントを取得して強い指導力を発揮して社会に貢献してゆきたいと申し上げました。
 これで時間となり終了しました。


NO3 土木受験者?竜馬氏
1、受験番号・氏名・区分
2、受験の動機
3、技術士と労働安全コンサルタントとしての今後の活動   
4、安全管理者と労働安全コンサルタントの違い
5、労働安全衛生マネジメントシステムの活用について
6、リスクアセスメントとは
7、安全についての活動歴は
8、新規入場者教育の注意点は
9、KYのマンネリ化を防ぐ方法は
10、あなたが経験した事故歴は
11、バックホーでの吊り作業の注意点は

NO4 土木受験者?K氏(会社員)

 ご苦労様です。
 貴所より口実試験についての参考資料をいただいたものです。
 おかげさまで3回目にしてやっと合格できました。
 試問内容は殆んどこれまでの事例の内容でした。
 一問だけよく解らない質問がありました。
 「中小の企業へコンサルタントとして再就職する場合その会社の労働災害状況をどうゆう方法で知りえますか」という質問でした。
 なにを問うのか質問の意味が解せませんでしたのでしばらく考えているうちに次の質問に移りました。
 それでも何とか合格しました。本当にありがとうございました。


NO5 電気受験者H氏(会社員)
 14時40分受付(この時点で私が最後の受付者であった。)→待機(質問票配布無し)→15時33分入室
(真ん中の試験官)
1 座って、受験番号、試験の区分、氏名を述べてください。
(私)******電気安全の****です。
2 はい。**さんは非常にお若いですが、所属会社と仕事の内容、経歴などを述べてください。
(私)昭和61年に*****に入社しまして、4年間は電気工事の実作業をしながら現場のスタッフとして安全活動し、平成2年から平成15年まで現場の安全衛生責任者として安全管理活動を経験しました。その後平成16年より支社技術部に移り、工事部門や協力会社の安全面と技術面の指導をしています。
3 実際にどんな仕事をしておられますか?管理面だけですか?
(私)いいえ、実際に現場へパトロールをして指摘是正をし、また危険作業に対する安全作業計画書のチェック・指導、安全教育について実施しております。

(右の試験官)
4 電気工事といいましたが配電線のお仕事ですか?
(私)いいえ、ビルの建設や工場の電気工事です。
5 空調などもするのですか?
(私)電気単独が多いですが、電気空調一括で受注することもあります。 6 あなたはどんな活動をしていますか?
(私)電気災害である感電災害、電気火災、爆発災害などの防止のための安全活動をしております。
7 現場で感電があるのですか?
(私)はい。最近の情勢より、新築物件よりも改修工事が多くなり、建物を稼働しながら仕事をするため、感電などの危険な状態が発生します。
8 災害は電気に関することだけですか?
(私)いいえ、もちろん建設現場ですので、墜落や転落災害もあり、当然それらに関する災害防止活動も行っております。
9 元請けになることがありますか?
(私)はい。新築では少なくゼネコンさんの下請けとなる場合が多いのですが、改修工事では元請けになる機会があります。
10 元請けではどんなことが必要ですか?
(私)統括安全衛生責任者を選任し、輻輳する業者間を調整し統括管理していく必要があります。
11 協力会社としての立場ではどうですか?
(私)統括安全衛生責任者のもと、その連絡調整、安全衛生方針を遵守した安全管理が必要です。

(左の試験官)
12 さきほど爆発と言われましたが、どのようなことですか?
(私)工場つまりプラントや生産工場などではその扱うものにより爆発の危険があります。
12 どのような対策をとられますか?
(私)電気設備工事を防爆工事にて施工し、爆発の危険を防止します。
13 防爆にはどのようなものがありますか?
(私)耐圧防爆、内圧防爆、油入防爆、本質安全防爆、安全増防爆があります。
14 防爆には資格が必要ですか?
(私)いいえ、必要ありません。ただ、産業安全技術協会が主催する講習等がありますので、防爆工事にたずさわるものには受講を指導しています。また、防爆指針がありますので、この指針に基づく施工をするように指導しております。
15 労働安全マネージメントシステムというのをご存じですか?また実際に取り入れされていますか?
(私)建設業では、COHSMSが取り入れられており、今後活動の主流となると思います。当社では、認証はうけておりませんが、その手法はとりいれております。また、今後本格的に取り入れが必要と思いますし、私もそれに向けた取り組みをしたいと考えております。

(真ん中の試験官)
16 技術の伝承がされていないように思いますが、どうしたらよいですか?
(私)教育が必要と思います。現在、実際に支社の教育担当としても活動しています。
17 それにはどんな注意を払っていますか?
(私)教育受講者の動機付けをもつよう配慮した教育に心がけています。
18 独立は考えておられますか?
(私)今すぐではありませんが、考えております。
19 独立して中小企業のコンサルタントをする場合、いろいろな問題であなたの改善策について、聞き入れてもらえない場合はどうされますか?
(私)なぜ聞き入れてもらえないか、その内容の確認や意見を聞いて、聞き入れてもらうよう対処します。
20 メニューを変えて、聞き入れてもらうようにすると言うことですね。
(私)はい。そうです。
21 今後の安全管理を強化していくためには、行政面などを強化する必要がありますか?
(私)いいえ、最近のながれから自主的な安全管理が必要です。
22 はい。それでは試験を終了します。
(私)有り難うございました。
15時58分退出(25分) ほぼ最後の受験者でした。 質問票はありませんでした。


 協力いただきました方々ありがとうございました。

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